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2016年12月13日火曜日

【数学】 無限小解析の世界(その8)


問7 次の関数は、(0,0)でa)滑らか、b)一様微分可能、c)微分可能、d)連続、のうちどの条件が成立するか。
\[
f(x,y)=\left\{ \begin{array}{l l} 0 & (xy=0) \\ 1 & (xy \neq 0) \end{array} \right.
\]
答7 0でない任意の無限小ベクトル(Δx,Δy)を想定してみる。(0,0)の周りで増分を計算してみると
\[
f(0+\Delta x , 0+\Delta y)-f(0,0) =f(\Delta x,\Delta y)=\left\{ \begin{array}{l l} 0 & (\Delta x \Delta y=0) \\ 1 & (\Delta x \Delta y \neq 0) \end{array} \right.
\]

ΔxΔy=0が成立する方向ならば、Δh 無限小ベクトルのノルムで割り算しても0なので微分係数は存在しているが、それ以外の方向ではΔhで割り算すると、1/Δh、すなわち無限大になってしまう。少なくとも、微分可能ではないと分かる。なので、一様微分可能でもなく、滑らかでもない。

連続性に関しても、(0,0)から無限に近い点(Δx,Δy)で、ΔxΔy=0が成立していない場合は、0から1に段差があるので、連続ではない。


以上まとめると、a)~d)はすべて成立せず。

問8 次の関数は、(0,0)でa)滑らか、b)一様微分可能、c)微分可能、d)連続、のうちどの条件が成立するか。
\[
f(x,y)=\sqrt{|xy|} =\left\{ \begin{array}{l l} \sqrt{xy} & (xy \geq 0) \\ \sqrt{-xy} & (xy < 0) \end{array} \right. \]












答8 先に連続性を検討しておこう。(0,0)から無限に近い点(Δx,Δy)で、ΔxΔy≧0ならば、f=√(ΔxΔy)であり、これは無限小だ。負の場合も、同様に無限小であるので、(0,0)で連続と言える。

0でない任意の無限小ベクトル(Δx,Δy)を想定してみる。(0,0)の周りで増分を計算してみると
\[
f(\Delta x,\Delta y)=\left\{ \begin{array}{l l} \sqrt{\Delta x \Delta y} & (\Delta x \Delta y \geq 0) \\ \sqrt{- \Delta x \Delta y} & (\Delta x \Delta y < 0) \end{array} \right. \] ΔxΔy≧0のとき、次のような量を評価する。 \[ \frac{\sqrt{\Delta x \Delta y}}{\sqrt{(\Delta x)^{2} + (\Delta y)^{2}}} = \sqrt{\frac{1}{\frac{\Delta x}{\Delta y}+\frac{\Delta y}{\Delta x}}} \] この値が無限小ならば微分可能である可能性があるが、確かめてみると有限または無限小であり、ΔxとΔyの相対的な大きさの違いで可変である。従って、不変の偏微分係数をとることは出来ない。微分不可能。従って、一様微分可能でなく、滑らかでない。 以上まとめると、a)~c)は成立せず、d)のみ成立。

問9 次の関数は、(0,0)でa)滑らか、b)一様微分可能、c)微分可能、d)連続、のうちどの条件が成立するか。
\[
f(x,y)=|xy| =\left\{ \begin{array}{l l} xy & (xy \geq 0) \\ -xy & (xy < 0) \end{array} \right. \]







答9 連続性。(0,0)から無限に近い点(Δx,Δy)で、ΔxΔy≧0ならば、f=ΔxΔyであり、これは無限小だ。負の場合も、同様に無限小であるので、(0,0)で連続と言える。

微分可能性。ΔxΔy≧0のとき、次のような量を評価する。
\[
\frac{\Delta x \Delta y}{\sqrt{(\Delta x)^{2} + (\Delta y)^{2}}} \simeq 0 =\frac{0 \Delta x + 0 \Delta y}{\sqrt{(\Delta x)^{2} + (\Delta y)^{2}}}
\]

つまり偏微分係数(0,0)がとれる。負の場合も同様。故に微分可能。