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2014年8月18日月曜日

植物細胞の全能性と動物細胞

日本植物生理学会-みんなのひろば-
wikipedia


やあ、みんな。

STAP事件。関係者が自殺してしまうという結果になってしまったけれど、この問題の根幹は「細胞の全能性」って何、ということなんだね。上のリンクは、高校生が日本植物生理学会に質問した内容が紹介されていて興味深いよ。この高校生と高校の生物の先生の理解は鋭いね(目的論的な説明、進化論的な説明)。僕も似たようなことを考えてた。

それに対して、下の専門家の回答は機構論的な説明をしているね。まだ分からないことがあると率直に認めているようだよ。

ちょっとまとめてみるね。



  • 植物も動物も多細胞生物。その体は様々な、機能の違う=分化した60兆個の細胞(体細胞)から構成されている。
  • しかし、それら様々な細胞は、もともとは一個の受精卵(幹細胞)から分化したもの。
  • 動物細胞では、分化の過程は普通は後戻りしない。植物細胞では、ある条件の下でリセットされる(脱分化)ことがある。これを「植物細胞の分化全能性」と言う。
  • 言い換えると、植物細胞では「分化全能性」は体細胞に分化した後でも、失われていない。動物細胞では初期発生の間に分化能力は次第に限定され、全能性は失われる。
  • 何故そうなのか、分かっていない。ただ、ヒントらしいものは分かっている。
  • ヒントというのは一般に、「分裂成長の各段階で細胞核に遺伝子(DNA)の特定の部位が修飾される(置換基などが結合する)こと」、これにより、「ある特定の遺伝子しか働かなくなる」こと。これは動物細胞でも植物細胞でも基本同じだけれど、植物細胞の場合にこの限定が外れやすい(らしい)。
  • 「脱分化という現象は遺伝子群の発現制御により起こる」、「再分化に関しても同様に遺伝子機能によって担われている」

なんで植物細胞だとリセットされやすいのか、は、結局この回答ではよく分からない。高校生向けではこれ以上の説明が困難なのか、そもそも誰に対しても説明が困難なのか、それもよく分からない。

ただ、注目するところは、


  • 「再生医療を見据えた,胚性幹細胞 の分化全能性(に近い多分化能)の研究は,社会的にも注目を集めている」


ということろに、この種の研究が歪められやすい環境にあることを説明しているかもしれないね。

ところで、STAP事件が起きた背景には、阪神淡路大震災後の神戸を舞台にしている、ということも注意しなければならないようだよ。理化学研究所というと埼玉県和光市にある本社を想定しがちだけど、発生・再生科学研究センター(CDB)の所在地との関係で見る必要があるね。

じゃあ、またね。