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2013年2月26日火曜日

Borel分布について

Borel-Tanner Probability Mass Function

やあ、みんな。

Lagrange Inversion Theoremの応用例として前回はランベルトのW関数だったけど、今回はボレル分布(一般的にはボレル・タナー分布)を取り上げることにするよ。

ボレル分布はこんな確率関数を持ってるよ。

\[
p(x) = \frac{(x\lambda)^{x-1}}{x!}e^{-\lambda x} , \; x=1,2,\cdots
\]


準備

わかりやすくするためにW関数の状況と比較しながら整理するよ。左側がW関数の場合、右側がボレル分布の場合。u(x)は今のところ未知の関数。φ(x)は分かっている。f(x)=x/φ(x)とg(x)はcomposition inverseの関係にある。

\[
g(x) = W(x) \Longrightarrow g(x) = u(x)
\]

\[
\phi(x) = xe^{x} \Longrightarrow \phi(x)=e^{\lambda (x-1)}
\]

LITの適用

φを使ってuをラグランジェ展開していくよ(ただし、k=1)。

\[
[x^{n}] u(x) = \frac{1}{n} [x^{n-1}] \phi(x)^{n}
\tag{1}
\]

ところで、
\[
\phi(x)^{n} = e^{n\lambda(x-1)}
\]
ところで、
\[
\left.\frac{d^{i}}{dx^{i}} \phi(x)^{n}\right|_{x \to 0} = \left. (n\lambda)^{i} e^{n\lambda(x-1)} \right|_{x \to 0} = (n\lambda)^{i} e^{-n\lambda}
\]
だから(テイラー展開)、
\[
\phi(x)^{n} = \sum_{i=0}^{\infty} (n\lambda)^{i} e^{-n\lambda} \frac{x^{i}}{i!}
\]
これを(1)式に入れると、
\[
[x^{n}] u(x) = \frac{1}{n} [x^{n-1}] \sum_{i=0}^{\infty} (n\lambda)^{i} e^{-n\lambda} \frac{x^{i}}{i!}
\]
\[
= \frac{1}{n}\frac{(n\lambda)^{n-1}}{(n-1)!}e^{-n\lambda} = \frac{(n\lambda)^{n-1}}{n!}e^{-n\lambda}
\]
結局、ボレル分布の確率関数が出てきた!

ところで、f(u(0))=0からu(0)=0が言えるので、u(x)で定数項(n=0の係数)はなし。だから、

\[
u(x) = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{(n\lambda)^{n-1}}{n!}e^{-n\lambda} x^{n}
\]

つまり、u(x)っていうのはボレル分布の確率母関数だったんだね。

足して1の証明

ボレル分布が確かに確率分布であるということを言うために、全部足して1になるかどうか確かめてみよう。これはu(1)の計算と同じだよ。

\[
\phi(1) = e^{0} = 1 \to f(1)=\phi(1)=1 \to u(1)=f^{-1}(1) = 1
\]


じゃあ、またね。